『大前研一 敗戦記』を読む

敗戦というのは、95年の都知事選挙(青島さん当選)とその後の参院選での敗戦だ。
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今回は、Youtubeでのニュースや書籍で大前さんに興味が出たから読んでみた。
というのは、すごくパワーとリーダシップあふれる感じがして、
この人が95年の都知事選に出馬し、なぜ失敗したのか、そのとき何があったのか、どう考えたのか、そして今にどうつながっていくのかが知りたくなったからだ。
まさに歴史を読むような感覚だった。
にしてもこの人の行動力はすごいし天才的だと思う。小中学生の頃のエピソードにそれを感じる。
学校で画一的・受身な教育に嫌気がさし、登校拒否になった。
しかし登校拒否といっても、自分で勉強し、試験だけ受けに行って、いつも万点だったそうだ。
なんということか!と感じる。
しかも世界的な有名な経営コンサルであり実績もある。
この人のパワーとリーダシップがあれば日本はもっと良くなるかもしれない。

いつも政府を批判しているが、裏では大阪の橋本さんのブレーンということを聞くし、
政治家に対して公演や政策提言もしているらしいし、
実際この人は選挙に出て政治を変えようとしたという実績があるから、口だけではないと思う。
選ばなかったのは国民。

テレビには出ないのであまり知らなかったが、昔は良く出ていたらしい。
メディアの切り取り報道などに嫌気がさし、自分でBBTをやるようになったとのこと。

あともう一つ感じたのは、この本は95年なのでちょうど阪神大震災の直後。
以下抜粋だが、これは今回の東日本大震災でもまったく当てはまる。
同じ文章でもいいんじゃないか?というところが笑えない。
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阪神大震災は全国民に本当の地方自治をやらなくては生命まで危ない、ということを視覚的に訴えかけた。
スイスからの災害救助犬を一週間も検疫のために足止めしようとしたり、通産省と他の省庁が「緊急」と「激甚」という言語論争をしたり、まだ生き埋めになっている人がいるのに伊勢湾台風の前例を持ち出したり、日本の医師免許を持たないフランスの医師団はアドバイス程度にしておけ、言い放つ始末である。ヘリコプターの着陸には事前届が必要だ、自衛隊の出動要請が自治体から正式になかった、などなど、まったくこの恥知らずな中央官庁は世界中の笑いものとなり、日本国中の国民のひんしゅくを買うばかりであった。しかもなぜ震度六まで安全なはずの建造物が壊れたのか、と問い詰められて言い逃れをするために発生後四日たって、実は震度7の部分があったからだ、と言い張ってみたり、初日には死者千人、行方不明八百人といいながら、死者の合計が五千人を超えたりする。つまり、最初からどちらも不明というべきところをあたかも判っているように言って救助が後手後手にまわったのである。
せめてもの救いは被災した住民がお互いに協力し合い、冷静な対応と人間の尊厳を示したことが世界中の賞賛をあびたことである。つまり本当のコミュニティ、地方自治の方が今の日本には必要なのであり、またやればできるということを証明したのだ。
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だからこそ防災対策もきちんと考えていたこの人が都知事になっていたら・・・とか思うわけだが、その頃小中学生の私は何の興味もなかった(し大分にいた)。

この本の最後「急がば回れ」には、このとき著者が考えた今後の方針が書かれている。
「政治家になることを自己目的化しない。既成の政党と取引はしない。気長に戦いを待つべし」という考えのもと
・政策提言型市民運動の輪を広げる
・人材育成
をしていくということ。
それでBBT設立につながったのか。。。本の最後では政治を諦めたわけではないと読み取れるので、少し期待するが、なにしろ16年前の本なので、その後どうなっていったかは判らない。

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